サラリーマンしながら個人事業開業してみての丸2ヶ月の感想について、効用と言う切り口で振り返ってみました。もうほんとあれですね、本当にいい事しかない。楽しい!
- 1.自分の輪郭がはっきりする
- 2.サラリーマン業の仕事の効率が高まった
- 3.パラレルワークによる仕事間シナジー効果
- 4.新しいスキル・知識のインプットが加速する
- 5.情報の感度が良くなった
- 6.お金の使い方が変わった
1.自分の輪郭がはっきりする
個人事業は究極の自己表現だと感じます。事業を開始する前に自分の強みを明確にして・・・というのが先かと思いきや実は、自分で仕事を作り出すという事が個性を研ぎ澄ます事に繋がるという鶏と卵の関係があったのは一つ気づきでした。色んなサービスが溢れる現代において、その人らしさが無ければその他大勢に埋もれるという事にリアルに直面するので、ポジティブな意味で自分が心底共感する事・心底好きな物事を仕事にせざるを得ないという状況に到達します。その中で「あー、自分ってこういう人間なんだな」というのを自分の日々の行動を通じて実感する機会が増えるので、自己分析なんてしなくても自分に素直に行動して何かをアウトプットしていればそれが勝手に自分にしかできない事になるという気がします。うん、素直さ大事。
余談ですが、自分は06年に大学を卒業して就職しました。その当時はまだ個性を殺して組織に貢献すべきという風土が蔓延っていたし、会議の場で発言したらその日の夕方飲みに誘われて、課長に「新人のくせにでしゃばるな。先輩に失礼だ」と叱責されるという、今では考えられない事が普通でした。自分は環境適応能力が高い方で気質がクソ真面目だったので、迎合して絵に描いたような組織人間に成長したのですが、数年前に尊敬している上司から「●●君ってAIみたいだよね」と言われた事がショックで。。。そこから「自分は何のために働いているのか?」を毎日考えるようになって、今に至っています。
2.サラリーマン業の仕事の効率が高まった
自分は仕事の一つ一つに手間暇をかけてしまいがちでメールでの発信にも悩んでしまうクチだったのですが、パラレルで仕事をするようになって、サラリーマン業へかける時間が減りました。過去残業ズブズブだった自分が、今や定時でスパッと。サラリーマン1本時代もそんな自分を変えたくて、色んな自己啓発本を読んだりしましたが、なかなか変えられず。。
結局自分にとって一番大事なトリガーは他にワクワクする事があるかどうか?でした。サラリーマン業は義務的要素が多めなので、真面目であればあるほど「与えられた機会にどう答えるか?、自分は何を果たすべきか?、もっといい答えがあるんじゃないか?」と、期待を越えるアウトプットを目指して幾らでも時間を使ってしまう現象に陥ってしまうような気がします。でも不思議なもので、他に何としてでも時間を捻出したいワクワクする事があれば、真面目さが吹っ飛び「どうやったら最低限の義務を果たしつつ、手っ取り早くこの仕事を処理できるか?」という欲が出てくるようになりました。
サラリーマン業で特に出世に夢もメリットも感じない自分にとっては、たぶん、期待を越え感動するようなアウトプットは自分の価値観に合う事だけ、自分が取り組むことで自分に大きなリターンがありそうな事だけにするのが丁度良いんだろうな、と。時間を多く使ったところでその時点で出せるアウトプットの質は大して高まらないし、結局スピード重視・80%レベルでアウトプットを増やすというのが最適解な気がしていて。それ以来は上手く時間を使えています。
3.パラレルワークによる仕事間シナジー効果
これはどこでも聞く話ですが、理屈で理解していながらも自分がやってないからどんだけ効果があるのか謎な効果だったんですが、実際はめっちゃ効果実感してます。実際は「効果出るように工夫してる」というのが正しいのかもしれないんですが。で、その工夫ですが、それぞれの仕事の中で得られた知識・スキル、生み出した成果、新たにできた人脈を積極的に共有活用していくという事です。もう本当にこれは意識の問題だけで、セレンディピティ(偶発的幸運)的な事が多くって病みつきになるんですが、自分の行動が全て活きてくるのが最高です。「そういえば、別件でこういう事もしてるんですけど・・・」「何それ面白い!」的なやりとりが日常の中で増えます。もうちょいで成果が掛け算的に増え・・・ればいいなぁ。
4.新しいスキル・知識のインプットが加速する
目に見えるアウトプットをしないと何も始まらないのが個人事業なので、アウトプット前提のインプットが多くなりますし、習熟度は劇的に早くなるなぁという実感があります。本来、活かす先あっての学習が当たり前なんですけど、サラリーマンしてると自己啓発が目標評価制度で評価されるとか、冷静になると「誰特やねんそれ」ということも起こるので。。何かを始めるために入念に学習することもあるでしょうけど、それって結構モチベーション的にも、習熟度を上げるという観点でも難しいんですよね。分かりやすい例は、言語習得はその言語を話す国に住むのが一番という件ですね。
5.情報の感度が良くなった
たぶん多くの人がtwitterでは複数アカウントを運用していると思うのですが、自分は個人事業を始めてtwitterアカウント数が増えました。増やした目的は情報収集の為だったんですけど、これをキッカケに気づいた事が3点あります。
1つ目は、情報の流れがtwitter→TVなどのマスメディアになっているなぁという事です。これはtwitterユーザーであればそんなの前からそうでしょ?って事かもしれないんですけど、昨今のコロナ関連の報道を見ていてより顕著に感じたんですよね。twitterを通じて簡単に専門家に繋がれるようになったので、ある程度その分野の基礎知識があれば、少なくとも早く知りたい情報をキャッチできる。信頼できる情報ソースかどうかについても、複数の新聞で情報を検証するような感じで、複数の専門家をフォローすればある程度ニュートラルに情報を受け取る事も概ねできる実感もある。テレビのニュースはあまり見なくなりました。自分の情報収集は1次情報twitter、2次情報専門家の動画配信やブログまたはニュースアプリ、3次情報はニュースラジオで復習みたいな感じです。
2つ目は、別人格を体験できるということです。マーケティングで言うペルソナのように、自分で設定したアカウントを作成して、その条件の人になりきって、近い人達と繋がることで、生活環境調査的などっぷり浸かる体験ができるな、と。覆面調査的なこともできる。・・・逆に手の込んだ詐欺には気をつけたいですね。。
3つ目は、twitterでは自分の中の個性を細分化して解放できると言うことです。twitterって目的別にアカウント複数持ってる人多いですよね?それって自分の好きな事、個性の一部だけをその世界で表現してコミュニケーションをとっていく事なので、正に自分の個性を細分化して解放しているなと。リアルでもあるっちゃあるんですけど、もっとカジュアルにできる。
自分は公共的には自分を演じて生きているタイプ(仕事場でも家庭でも完全には自分を晒さないタイプ)ですが、twitterでしか出してない自分もあります。匿名性が高いから安心してオープンになれるということは結構大きいですね。
ただ、自分の場合、本アカウントの位置付けが、情報収集アカウント→趣味アカウント→個人事業アカウントという位置付けでここま来てしまったので同一アカウントの中で自分の複数の側面を開示・拡張してきたので、ちょっと失敗やったかな?と思っているのが現在です。なんか、パブリックに近づいていくと控えめになってしまうというか。。。
でも、ちょっと挑戦してみたい事があります。趣味を細分化してサブアカウントで運用して本アカウントに統合していくとどうなるかな?っていうやつ。細分化してコミュニティに属して本アカウントに繋げてく行為って、パラレルワークでの仕事間シナジーに似ている気がします。
6.お金の使い方が変わった
市場性とか利害とか関係なくただ自分が心底良いと思える活動をしている人にお金を使って、ブランディングを手伝ってその人がその活動を通してもっと幸せになったらいいな、と思って今僅かながらお金を使っています。これがどこまで仕事として成立するのかは実験中ですが、応援消費を経費にして、収入に変換できたら自分としては事業の第一段階の成功ですね。
現代の環境って個人が自分らしさや強みを表現することで評価されて仕事になる土壌が十分にあるはずなんですが、何かあと一歩足りない。それってもしかすると外部環境ではなくて個々人が自分の価値を知る為、知ってもらう為に何かしらアウトプットをし続ける事が一番重要なんじゃないかなと。
世の中には成長・変革し続けなくても必要十分な技術や生産力があるし、企業に勤めてそこで何がなんでも成し遂げたい事を持たない方は特に、自分ができる事でほどほどに会社・社会に貢献しながら、自分の本当に好きな事、挑戦してみたい事に割く時間を増やした方がいいんじゃないかなと思います。