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FACT FULNESS 〜10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣〜

仕事でもトレードでも『FACTを正しく掴んでいるのか?』『冷静な判断をしているか?』という部分がおろそかになっているなと感じることがよくあります。大局観と冷静に物事を捉える視点を優しく提供してくれる一冊。何度も振り返りたい要点をまとめました。

1.分断本能 〜世界は分断されているという思い込み〜 

◆寿命と所得のバブルチャート(Gapminderより引用)

先進国と発展途上国を二分しがちだが、最も人口が多いのはその中間である

 

 ◆一日当りの収入でみる人口分布図(Gapminderより引用)

 

★分断思考を避ける為に意識すべき事

  • 平均と分布の両方を見て物事を判断する

数学のテストの男性平均点数527点、女性の平均496点となっており20年間この傾向は変わっていない。ただ分布で確認すると女性の高得点取得者は男性に比べ若干少ないだけで、低スコアの女性のボリュームが多い為に平均が低くなっている。つまり数学の得手不得手に性差はそこまで極端には無い。

  • 上からみる景色と下から見る景色は全然違う事を意識する

高層ビルから低い建物の高さが分かりづらいように、高所得者からすると1ドル/日の人と8ドル/日はひと括りで貧困層という見え方になる。だが1ドル/日の暮らしから8ドル/日の暮らしへは移動手段が裸足からバイクになり、水道をひけるようになる程の劇的な変化がある。

 

2.ネガティブ本能 〜世界はどんどん悪くなっているという思い込み〜

◆犯罪件数は増えているという人は多いが、実際は減っているという実態

 (良いニュースは話題性に欠くため認知されない)

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3.直線本能 〜世界の人口はひたすら増え続けるという思い込み〜

誰もが世界人口が増加し続けていると信じているが、既に減速している。直線的に増える事もあればS字曲線となるもの、指数関数的に増えるもの、コブのように一定の状況下で増えその後低減するものもある。

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※15歳未満の子供の数は2019年時点で約20億人で2100年も20億人程度の見通し

全体の人口が増えるのは寿命が伸びている事が最大の要因で、世界人口は100〜120億で安定すると国連は予測している。

※女性一人の子供の数は1965年5人だったが2017年2.5人

※一日当りの収入が2ドル未満の最貧家庭の出生数は平均5人だがそれ以上の収入の家庭の平均出生数は2人

 

4.恐怖本能 〜危険でないことを恐ろしいと考えてしまう思い込み〜

 

◆航空事故による死亡者数の推移

1929年当時から2016年迄で2100倍安全性が高まった。2016年度4000万機のうち10機が死亡事故(10億人搭乗して25名が死亡する確率)

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<事例>マスコミが扱う情報は関心を惹くテーマ故に事実への印象を歪める

2015年のネパール地震では9000人が震災で死亡した事が報道されるが、同じ期間に9000人の子供が不衛生な水の摂取により亡くなっていることは報道されない。

 
★過剰に恐れない為に意識すべき事

  • リスク=危険度×頻度でリスクを正しく評価してリスクを取ることとヘッジすること
  • 人間が本能的に関心を持ってしまう事柄を知る

  <身体的な危害>暴力、危険動物、鋭利な刃物、自然の脅威
  <拘束>閉じ込められる、支配下に置かれる、自由を奪われる
  <毒>目に見えない有害物質

 

5.過大視本能 〜目の前の数字が一番重要だという思い込み〜

 

<事例>最貧国における子供の死亡率改善の取り組みは何が正しいか?

最貧国における子供の死亡数をへらす為には医療施設を増やすことより、公衆衛生の整備や母親の識字率の向上が効果的。でも自分が医療施設に務める医者だったらどんな行動をとってしまうだろうか?

 

<事例>乳幼児死亡数を時系列と割合で捉える

2016年の乳幼児死亡者数は420万人、1950年は1440万人

2016年の出生数は1億4100万人、1950年は9700万人

乳幼児死亡率は1950年→2016年 で 15%→3%となった。

 

★過大評価を避ける為に意識すべき事

  • 目の前の事に全力を注ぐ事が本当に一番効果的なのかを冷静に考える
  • 数字のインパクトに踊らされずに前後周囲の数値との比較を行う
  • 割合と比較で数字を見る

 

6.パターン化本能 〜一つの例が全てにあてはまる思い込み〜

<事例>応急処置におけるうつぶせ寝を乳幼児に適用してしまうパターン化

意識の無い患者は仰向けにしておくより、うつ伏せにしておいた方が吐しゃ物で気道が塞がれて死亡するリスクを避けられ生存確率が上がる。それを条件が異なる乳幼児に適用したことで乳幼児の死亡率が高まった。

(乳幼児は意識があり、反射神経もある為仰向けでも横を向く事ができる。ただ、うつ伏せにしてしまうと自重に対して筋力が発達していない事から逆に気道が塞がってしまうリスクがある)

 

★パターン化を避ける為に意識すべき事

  • 同じ集団でも違いがあることを意識する
  • 違う集団でも共通する事もあることを意識する
  • あることが別のシーンで同じ用に機能すると限らない事を意識する
  • 分類を大雑把に分けてそこから何かを判断することに慎重になる
  • 自分の判断が正しいと思わず他人の判断の背景を謙虚に知ろうとする

 

7.宿命本能 〜すべてはあらかじめ決まっているという思い込み〜 

統計的には経済が発展し収入が増えると、宗教や文化に左右されず出生率は下がり男性優位の社会から女性優位の社会に変わる。数学や言語の基礎は変わらず使える知識だが、社会・文化・価値観は常にアップデートしないと使えない知識である。

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8.単純化本能 〜世界はひとつの切り口で理解できるという思い込み〜 

シンプルな表現は理解を促進し魅力的でキャッチーであるが、同時に誤解も生みやすい。一つの理論が全ての問題を解決することはなく、必要なときに必要な方策が重要。

 

<事例>自由経済・民主主義のアメリカと計画経済・社会主義のキューバ

アメリカは最も一人あたりのGDPと医療費が大きいが平均寿命は民主主義国家のなかでは平均寿命は低水準。キューバは社会主義国家の中では平均寿命が高水準だが一人あたりのGDPは低い。

アメリカの平均寿命の低さは公的健康保険制度が無く所得が低い人が医療サービスを受けられない事が1つの要因。

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★単純化に陥らないために意識すべき事

  • 自分が肩入れしている意見の弱みを見つけようとする
  • 反対意見を持つ人に積極的につながる
  • 専門外の知識に触れる
  • 数字だけでなく数字の裏にある実態を掴む努力をする

 

9.犯人捜し本能 〜誰かを責めれば物事は解決するという思い込み〜

<事例>中国の一人っ子政策やカトリック教の避妊具不使用規範は殆ど効果がなかった

中国では経済成長をキッカケにして一人っ子政策より前の時点で既に出生数が下がりはじめていた。カトリック教徒が多数派の国の避妊具の使用率は60%、その他の国は58%。人間は実利に基づいて判断をし、誰かの指示やルールだけでは動かない。

 

★犯人捜しから抜け出す為に意識すべき事

  • 誰かを責めても問題は解決せずただ思考停止に陥るだけである
  • 多くの人は良かれと思って行動している事が殆どである
  • 仮に人が悪事を起こしてしまうことについてもその原因となる環境に目を向ける

 

10.焦り本能 〜今すぐ手を打たないと大変なことになるという思い込み〜

焦って判断することはだいたい失敗する。

 

<事例>正体の見えない集団の病に対し都市封鎖をしたことによる二次被害発生

感染症なのかどうなのか分からない状況で、感染症だったら大変だと道路閉鎖を決断。海路を利用する者が現れ波に攫われて溺死。結局は感染症ではなかった。

 

★焦りを感じたら意識すること

  • 今やらなければ二度とできない事はない
  • データにこだわるデータの正しさを精査する
  • 不確実性に言及しない予測は疑う
  • 過激な対策は付随する副作用を十分に考慮した上で行う

 

さいごに 〜世界の4分類の生活レベルを写真で知る〜

このサイトを使って社会の勉強を学校でして欲しいなと感じました。変化の激しい世の中で教科書の在り方を考えさせられます。

◆ダラーストリート 〜ステレオタイプな国の見方を突破する写真集〜

www.gapminder.org

なにより、このサイトにアクセスしたときに色んな国の人の家族の写真が最初に出てくるセンスがたまらない。伝えたい事を言葉だけでなく共感度の高いイメージや環境設計で伝える大切さ。本書と運営されているWEBサイトのGapminderを通して大きな学びを得ました。

 

 

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