世界のリーディングカンパニーを知れば世の中の変化がある程度予測可能になるのでは?そんな思いをもって本書を手に取りました。11社の概略と近い将来に起こり得ることを抜粋しました。企業で事業構想を考える方や株式投資をする方にオススメしたい一冊です。
- 1.世界を席巻する11社とビジョン
- 2.テクノロジーが交通を激変させる
- 3.テクノロジーに侵食される金融機関やカード会社
- 4.サブスクリプションサービスとは顧客体験価値を継続的に高める為の仕組み
- 5.おわりに 〜お家も3Dプリンティングされてる!?〜
1.世界を席巻する11社とビジョン
以下に本書で紹介されていた2025年を制覇すると紹介されている企業をその企業のビジョン(またはミッション)を併記してまとめました。一部日本で認知率が低いと思われる企業はビジネスの概要も付記しています。
- グーグル
〜あらゆる人が必要な情報に簡単にアクセスでき、使えるものにする為に情報を整理する〜
- アマゾン
〜地球上で最も豊富な品ぞろえをし、最もお客様を大切にする〜
- フェイスブック
〜人々にパワーを与える為に世界中の人同士を繋ぐ〜
- アップル
〜生まれた時よりよい世界にするために地球上で最高の製品を作る〜
- ネットフリックス
〜世界中のエンターテイメントコンテツメーカーへのアクセス可能にして世界最高のエンターテイメント配信者となる〜
- マイクロソフト
〜地球上の全ての個人と組織がより多くのことを達成できるようにする〜
- テスラ
〜世界を持続可能なエネルギーへ〜
- インポッシブル・フーズ
〜QOLを犠牲にせず持続可能な地球を実現する〜
動物からではない科学的な手段で美味しくて栄養価の高い肉、乳製品を製造し販売している企業です。それにより世界のフードシステムを変革し生物多様性の回復と気候変動の影響軽減で地球の持続可能性を高めていくことをミッションとしている企業です。
- ロビンフッド
〜全ての人に金融を民主化する〜
今年の年初にユーザーがSNS上で特定の株式の株価を結託して吊り上げた事で一躍日本で話題になった企業ですが、既存の証券会社を震撼させる売買手数料無料で金融商品を取引可能にするビジネススキームを構築したフィンテック企業です。
- クラウドストライク
〜全ての人に万全のセキュリティを〜
個人の端末を使って会社の環境に接続して仕事をする事(BYOD:Bring Your Own Device)をクラウド上からセキュリティ環境を提供するサブスク型企業。月額900円/端末 程度で利用できる為、システム環境が整っていなくても投資をせずにテレワークの環境を整えることができるというサービスを提供しています。
- ショッピファイ
〜全ての人の為に商取引をより良くする〜
インターネット店舗開設・運営・改善に必要な環境全てを提供する企業です。日本でいうとBASEが似たサービスですが、BASEの時価総額が2200億円程度なのに対し、Shopifyは14兆円(3/12時点)でドメインを世界に置いている分、規模が圧倒的に違います。
※BATH (Baidu, Alibaba, Tencent, Huawei)は世界にスケールしない?
本書では中国版GAFAのBATHは基本GAFAのコピービジネスである事に加え、米中関係の対立状況(半導体の輸出規制や技術供与規制など)も鑑みると世界にはスケールしないだろうと結論付けられています。
その一方、FacebookがTencentのWechatのスーパーアプリ構想を真似る逆流やTickTockなど中国発の躍進はその限りではないという事や、中国のBATHをコピーするサービスがアジアで生まれているのも(インドネシアのライドシェア、Grab)も大きな潮流との事。
2.テクノロジーが交通を激変させる
- ロボタクシーは鉄道業界をリストラに導くかもしれない
EVのロボタクシーが普及すると、移動コストも既存のタクシー、バス、鉄道業界までも大半が不要に。(タクシーの費用の7割が人件費と言われており、現在1000円のタクシー代はロボタクシーでは300円以下になる可能性)電車の利用頻度が下がれば駅中心の商圏も変化する可能性がある。
- 自動運転が招く車両の需要低下
現在の車両は人が運転することを前提としてる為、世の中に存在している95%の車両が常時非稼働状態というレポートも。自動運転で稼働率が高まれば、単純計算では20分の1の台数の車で必要な交通がカバー可能。そうなると、ただの車両メーカーは需要が落ちるので業績が悪化する未来が待っているのでは?
- テスラは交通手段を激変させるかもしれない
テスラの計画しているハイパーループ構想のロケットが実現すれば東京〜ニューヨークを40分で移動可能に。航空業界に破壊的な影響を与える可能性がある。
3.テクノロジーに侵食される金融機関やカード会社
個人に与信を与え、決済の利便性を提供してきたカード会社や金融機関はデータドリブンの企業に脅かされています。信用情報は顧客とのタッチポイントを多く持ち、行動履歴をとっているテック企業の方が精度高く押さえられ、よりユーザーの便利な形で提供できます。
既存の金融機関は新進気鋭のフィンテックを買収してその地位を守れるのか?それともGAFAMのような企業にとって替わられるのか?時価総額50兆を超えるVISAも枕を高くして寝れない世の中です。
4.サブスクリプションサービスとは顧客体験価値を継続的に高める為の仕組み
企業目線ではサブスクリプションに加入してもらえれば安定的な収益につながるといった表面的な見方がされているが、それでは回数券的な発想と何ら変わらなく『サブスクリプションサービスは顧客とのタッチポイントを増やす事でデータを取得し顧客をより深く理解することで、より満足してもらえる価値を提供していく為にあるものだ』と説かれています。
5.おわりに 〜お家も3Dプリンティングされてる!?〜
本書とは別ですが先日VoicyのITニュースを聴いていて、『3Dプリンティングで家を建てているスタートアップ企業が資金調達をした』というのを聴いて "えっ!もうそこまで進んでるの!?"と驚きました。実際その時調べたら、既にその物件は販売されており価格も非常に安価でした。
改めて世の中は指数関数的に進化していて変わらない企業は以前よりもあっという間に淘汰されてしまう世の中になってきているなぁという実感です。自分も挑戦し続けないとなと身が引き締まる思いです。
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